男性を診ている医者と落ち込む男性
患者と説明している医者

性器クラミジアは日本国内で一番患者数が多い性感染症で、毎年2万人以上の男女が病院や診療所で受診して治療を受けています。この病気は細菌感染が原因で発症する伝染病なので、予防をするためには感染を防ぐことが大切です。病原体に感染して放置し続けても自然治癒することがなくてむしろ重症化する危険性があり、合併症を起こして不妊症になったり、命を失う恐れがあります。もしも病原菌に感染してしまった場合は、なるべく早く適切な治療を受けて完治させる必要があります。

クラミジアに罹る原因と主な治療方法とは

性器クラミジアは日本で最もポピュラーな性感染症ですが、病気の原因・症状や治療方法を知らない人が少なくありません。病気にかからないようにするためには、原因(病原体や感染経路)・症状と治療方法についての正しい知識を学習することが大切です。

性器クラミジア感染症は伝染病のひとつで、クラミジア・トラコマチスと呼ばれる細菌によって炎症などの症状が引き起こされます。病原菌は人や動物の粘膜の細胞に感染する性質を持っていて、性器・直腸・咽頭部(のど)・眼球の粘膜の細胞に寄生して増殖を繰り返します。病原体に感染してもすぐに発症する訳ではありませんが、1~3週間の潜伏期間を経た後に炎症を起こして発病します。性器に感染した場合は男性と女性で症状に違いがあり、いずれも初期症状が出にくいので病気であることに気づくのが遅れてしまうケースが多いです。治療を受けずに放置し続けると他の人に病原体をうつしてしまったり、重症化して重大な合併症を起こす危険性があります。

クラミジアの病原菌は宿主(人や動物の粘膜の細胞)でしか生き続けることができず、空気中や水中に放出されると短時間で死んでしまいます。このため、風邪やインフルエンザのように飛沫感染を起こすことはありません。この病気が他の人にうつるのは、感染した粘膜の細胞と直接接触をする場合に限られます。粘膜の細胞が直接接触をするケースで多いのは、性器性交やオーラルセックスなどの疑似性行為があります。これに対して、性行為以外の日常生活では病原菌が他の人にうつる心配はありません。

この感染症は性行為で粘膜が接触をするだけでも他の人にうつりますが、他の性感染症と比較して感染力が非常に強いという性質を持っています。1回の性行為でも感染する危険性がありますし、オーラルセックスやアナルセックスなどでもうつります。性行為の際に男性がコンドームを正しく着用して粘膜が接触するのを防ぐことで、感染を予防することが可能です。それでも避妊の必要がないオーラルセックスでは性風俗店でもコンドームを使用しないケースが多く、性器性交以外で感染するケースも少なくありません。

もしもこの病気の病原菌に感染してしまった場合は、治療を受けずに放置しても自然に治ることはありません。人によっては感染しても長期間にわたり発症しない場合もありますが、病原菌は体の中に潜み続けています。このため、病原菌に感染してしまうと遅かれ早かれ発症して炎症などの症状に苦しむことになります。

クラミジアの病原体は細菌なので、抗菌薬(抗生物質)で治療をすることができます。抗生物質にはいくつかの種類がありますが、マクロライド系・キノロン系・ニューキノロン系・テトラサイクリン系の抗菌薬が有効です。抗菌薬を服用すると感染した病原菌が体内で増殖するのを防ぐことができるため、病原体を死滅させることで完治させます。ただし抗菌薬には副作用があるので、病原体の増殖を抑える効果が高くて副作用が出にくい薬が用いられます。ちなみに、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質は効果が期待できません。

使用する治療薬(抗菌薬)の種類や投与方法は感染部位や症状の程度によって違いがありますが、初期症状であれば飲み薬だけで治せます。重症化した場合は飲み薬だけで治療をすることができないため、入院して点滴治療を受けなければなりません。

病院で受診して初期の性器クラミジアと診断された場合には、ジスロマックという治療薬が処方されます。この薬の有効成分はマクロライド系の抗生物質のアジスロマイシンで、粘膜の細胞に感染した病原体が増殖をする作用を阻止する効果があります。ジスロマックで完治させることができなかったり、咽頭部などの性器以外の部位に感染した場合は、別の抗菌薬が処方されます。ジスロマックや他の抗菌薬は日本の法律で医療用医薬品(処方箋薬)に指定されているので、一般向けに市販されていません。このため、ドラッグストアで一般向けに市販されている薬でクラミジアを完治させることは不可能です。

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